ぜくyoスクスタ記

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アピールとテクニック、どっちを盛るべき?上級編

おはyo〜ございます。
そろそろ大学の実験レポートよりもスクスタ記事の方が合計文字数多い気がしていなくもないぜくyoです。スクスタ記事は多い時で1万文字を超えているっぽいです。こんな長文記事にいつも付き合ってくださり本当にありがとうございます。

さて、今回はタイトルの通り、アピールとテクニックどっちを盛るべきか悩んだ時に、その答えを出してくれる関数を導出しようという内容になっています。ずっと数式をいじいじしているので、結論だけ知りたい方は目次でジャンプしてくださって構いません。

背景知識

今回の考察において、必要な知識を先に書いておきます。知っていそうだったら飛ばしてください。

クリティカル率の算出方法

クリティカル率は、以下のように計算します。
(編成画面でのテクニック値)x(ゲストのパッシブスキル)x(属性一致効果)x 0.003 + 絆ボードによる上昇 + テクニック型のボーナス

編成画面でのテクニック値は、絆レベルやボードによる上昇量、編成による個性での上昇量、アクセサリーでの上昇量も加味されていることに注意してください。テクニック型のボーナスについては次に説明します。

テクニック型ステータスのボーナス

アクセサリーやひらめき、ボードを除いた、特訓ツリーを全部開放した時のステータスを見た時に、テクニック値がアピール値とスタミナ値よりも高い時、そのステータスをテクニック型のステータスと呼ぶことにします。テクニック型のステータスを持つキャラは、クリティカル率に15%のボーナスがつきます(引用:クリティカル - スクスタDeep Dive!)。つまり、普通に計算してクリティカル率が60%のキャラが、テクニック型のステータスをしていた場合実際のクリティカル率は75%となります。

まずはイメージを掴む

仮に、以下の条件を満たす単純化されたモデルを想定します。

1)上級で、タップ上限が60000*1である。
2)wonderful時のタップスコアは40000である。
3)critical時のタップスコアは60000である。
4)元のクリティカル率は60%*2である。
5)アピールを a %増加させると、タップスコアが a %増加する。
6)テクニックを b %増加させると、クリティカル率が 0.33 x b だけ増加*3する。

この時、例えば10回アピールすると、分布は以下の図のようになります。

f:id:zekuyo:20210807133853p:plain
色が濃い部分はクリティカル時

アピールを30%盛った場合

非クリティカル率の時のタップスコアが、40000から52000に上がり、分布は以下の図のようになります。

f:id:zekuyo:20210807134531p:plain
オレンジ色が上昇分

テクニックを30%盛った場合

クリティカル率が10%上昇し、分布は以下の図のようになります。

f:id:zekuyo:20210807134536p:plain
オレンジ色が上昇分

今回の場合はアピールとテクニックどちらを盛るのが良かったのか

アピールを盛った場合は12000 x 4 = 48000、テクニックを盛った場合は20000 のスコア上昇ですから、今回のケースではアピールを盛った方が良かったことになります。

極端な話、ほとんどクリティカルでタップ上限に届いている場合、アピールを上げてもわずかなワンダフル時のタップスコア上昇にしかなりませんから、テクニックを上げた方が有利です。逆に、ほとんどタップスコアが上限に届いていない場合は、アピールを上げるとほとんどのタップスコアに響くので、アピールを上げた方が有利です。

テクニックを盛るべきか判定する関数を作ろう

簡単のために、1)、3)、5)の仮定は残すことにしましょう。
1)上級で、タップ上限が60000である。
3)critical時のタップスコアは60000である。
5)アピールを a %増加させると、タップスコアが a %増加する。
さらに、次の仮定を追加し、計3つの無理のない仮定のもとで計算を行います。
7)アクセサリーによるテクニック値の上昇量は3000*4である。

ワンダフル時のタップスコアをW、クリティカル率をCとして、アピールをa上昇した時の1タップあたりのタップスコア上昇量期待値はおおよそ以下です。

アピールa上昇時のタップ上昇期待値: W(1-C) x a

テクニックをb上昇した場合については、
・テクニック型かどうか
・絆ボードによるクルティカル率上昇がどれだけか
に依存します。テクニック型ボーナスと絆ボードによる上昇分の和をsとしましょう。
また、このbのバフはゲストのものでない限りアクセサリーのステータスにはかかりません。アクセサリーによるクリティカル率の上昇値は9%なので、テクニックをb上昇した時の1タップあたりのタップスコア上昇量期待値は以下です。

テクニックb上昇時のタップ上昇期待値:(60000 - W) x (C - s - 0.09) x b

ここで、(テクニック増加による上昇分)-(アピール増加による上昇分)が0より大きい場合はテクニックを増加させた方がいいことになります。この関数をテクニック優先度関数:TPF'*5命名すると、先ほどの式を展開・整理しTPF'は次のようになります(TPFではテクニック優先度:TPを計算します)。

TP'(C, W, s, a, b) = 60000bC + (0.09b + sb - a)W + (a - b) WC - 60000sb - 5400b

この値が0より大きいならば、テクニックを盛った方がいいです。

試しに、先ほどの条件で計算してみましょう。
W = 40000、C = 0.6、s = 0.18*6、a = 0.3、b = 0.3ですから、
10800 -8760 + 0 -3240 -1620 = -2820
従って、実際にアピールを盛った方が1タップあたり2820だけ上昇期待値が高かったことがわかりました。

TPFは今のままだと変数が多いため、もう少し仮定を増やして簡単な式にしましょう。
まず、テク型ですら上のように全然テクニック有利にならないため、テク型でない限りはほぼ確実にアピール有利とし、TPF'を適用する際はテク型前提とします。さらに、絆ボードはレベル40まで、つまりハイメモ要求量が2つまでの部分は全開放していることにして、絆ボードの上昇値は3%にします。これでs = 0.18 と定数として扱うことができます。これをTPFとして、その中身は次のようになります。

TP(C, W, a, b) = 60000bC + (0.27b - a)W + (a - b)WC - 16200b

さて、アピールよりテクニックを盛るべき状況を考えるのであれば、 アピールとテクニックのバフ量は同等としていいでしょう(a = b)。するとTPFは以下のようになります。

TP(C, W, a=b) = (60000C - 0.73W - 16200)a

従ってバフ量aはTPFの正負には関係なくなったので、判定に必要なのはCとWだけになりました。
C、Wに依存してTPF/aの値がどのように変化するのかをグラフにしました。

f:id:zekuyo:20210807162459p:plain
なんか縦軸ラベル消えた。TP/aです

これを見ると、タップスコアが40000程度でクリティカル率が75%〜からはテクニックを上昇させた方がいいことになります。

クリティカル率ではなくテクニック値で計算しよう

先ほどの式に用いたC:クルティカル率というのは、計算しないとわかりません。今のままではTPFは不便な形をしています。そこで、最後にクリティカル率Cをテクニック値Tで表現してみましょう。これを考える際は、属性一致ボーナスを新たに変数としておく必要があります。ただし、先ほど絆ボードの進行状況をすでに仮定したため、属性位置ボーナスは1.275倍とすることができます。属性一致キャラを使っているという新たな仮定をおけば、C = {(T+3000) x 0.003} x 1.275 + 0.18を計算して、以下の関係式が得られます。

100C (%) = 0.003825 T + 29.475

これをTPFに代入すると、テクニック値Tから計算できるTPFが完成します。

TP(T, W, a, b) = 2.295bT - (0.70525a + 0.02475b)W + 0.00003825(a - b)WT + 1485b

これも試しに T = 11000、W = 40000、a = b = 0.3 で計算すると、7573.5 - 8760 + 0 + 445.5 = -741となります。
なぜCを使ったTPFの値である-2820よりも値が大きいかというと、この時は属性一致を考慮していなかったからですね。この場合でも1タップあたり700以上、アピールを上昇させた方が期待値が大きいようです。

この式で改めてアピールよりもテクニックを盛るべき編成に転換するラインを考えてみましょう。a = bとして先ほどの式はこのようになります。

TP(T, W, a = b) = (2.295T - 0.73W + 1485)a

こちらも判定に必要なのはTとWだけなので、TPF/aの値を計算しグラフ化しました。

f:id:zekuyo:20210807171754p:plain
縦軸はTP/a

注意しなければいけないのは、編成画面に表示されている数値は他のバックダンサーのパッシブ効果がすでにかかっており、さらにアクセサリーのステータスが上乗せされていることです。これらは新たなテクニック+の効果対象外なので、これを差し引いた値を用いる必要があります。

グラフを見ると、しっかり育っていれば最近のキャラはワンダフル時でも大抵50000は届く気がするので、テクニックを盛った方がいいハードルは少し高めかもしれません。

結論

今回は以下の仮定のもと、テクニック優先度関数:TPFを定めました。
・上級で、タップ上限が60000である。
・critical時のタップスコアは60000である。
・アクセサリーによるテクニック値上昇量は3000である。
・属性一致のテク型キャラを使用する。
・絆ボードはハイメモ要求量が2つのところを全て開放している。

この時、アクセサリーを除くテクニック値をT、ワンダフル時のタップスコアをWとすると、テクニックをb上昇させた時にアピールをa上昇させるより得られるタップスコア上昇量の期待値の差は次の関数TPFで表されます。

TP(T, W, a, b) = 2.295bT - (0.70525a + 0.02475b)W + 0.00003825(a - b)WT + 1485b


TP > 0 の時、テクニックを上昇させた方がいいことになります。だいたいワンダフル時のタップスコアが40000の時にテクニックが12000以上だとテクニックバフの方がいい計算ですね。もし悩んだ時はぜひ使用してください。

*1:チョーカー完凸2つの時に上級のタップ上限は60000となる

*2:素のテクニック値が11000、アクセで+3000、ボードで+3%のテクニック型だった場合は約60%となる。

*3:テクニック値11000 x 0.003 に対してバフがかかるため

*4:チョーカー1170 x 2とブローチ780を足すと3120。ちなみに完凸チョーカー1170と4凸チョーカー1031、無凸チョーカー754を足すと2955

*5:テクニック プライオリティ ファンクションです。カッコつけてすみません。

*6:テク型ボーナス0.15と絆ボード0.03の和